今回は、6/30(日)の夕方に急患対応した『右肩鎖関節脱臼』の症例です
だいたい、当院では、毎月10~20件程度の骨折・脱臼を扱っています
この『肩鎖関節脱臼』も、10件以上は扱っていると思うのですが、
当院の症例ブログ(リンク付き)を検索すると、1件もない
早速、記載することにしました。どなたかのお役に立てば幸いです
肩鎖関節脱臼の概要
一般的な原因はスポーツ(柔道、ラグビーなどのコンタクトスポーツ)や交通事故などのケガです
肩鎖関節脱臼とは、肩の先にある鎖骨の先端がもとの位置から外れた状態を指します。
これは鎖骨と肩甲骨の関節が脱臼する状態です。
正常なレントゲン画像は、こちら(左右が逆なのはご愛敬・・)
鎖骨が浮いていない。正常な位置にあるのが分かります。
肩鎖関節脱臼は、全脱臼中約2.5~6%を占める脱臼、
肩関節脱臼の次に多いと言われています。
参考文献:
標準整形外科学 第11版など
損傷の程度をTossy:トッシー分類や、下記のRockwood:ロックウッド分類にて分けています。
1~2型は、保存療法で3型以降はOPEの適応と言われますが、
実際には、まだ正解が無いそうです・・
3型を保存療法した場合の、先行研究はこちら
『肩鎖関節脱臼(Rockwood 分類 TypeIII)放置例の予後調査』(リンク付き)
意外と、成績良いんですね・・
で、今回は、どのようにケガをしたか?
ケガの受傷原因は、スポーツをしていて、とあるシーンで転倒し、その上に、数名に乗られ、
右肩をぶつけて受傷・・
捻挫や肩が外れた?と思い、以前からケガで来院していたので、当院に来所されました
まさに、この図のとおりだそうです・・。
転倒した際負傷し、疼痛緩和肢位で来院。
※疼痛緩和肢位とは…痛みを和らげるために、患部の方へ頭を傾け肘を抱える姿勢
初検時、筋肉のボリュームが多い方なので、この受傷機転での鑑別が必須の、
・鎖骨外端骨折
・肩鎖関節脱臼
のどちらか見当がつきません
当院にはエコー超音波画像診断装置があるため、
患部をチェックできます。
しかし・・・・・
今回は、右鎖骨骨外端骨折疑い or 右肩鎖関節脱臼疑いの、
どちらとも捉えられるので・・、どちらでも、良いように応急処置をしました
鎖骨の外端や肩鎖関節をテーピングで圧迫し、少しでもずれないようにします
※下記の写真は、初検ではなく数日後のものです。
そして、クラビクルバンドなどを使って患部に、少しでも外力がかかならいようにします
※クラビクルバンド:鎖骨骨折用の固定バンド
で、翌日の専門医の診断にて
『右肩鎖関節脱臼:3型』
とのことでした
他の肩のレントゲン画像ですが、これとほぼ一緒です。
肩鎖関節脱臼と、確定診断でたので、固定も変更します。
当院には肩鎖関節脱臼用の固定装具を常備しているので、
それを使い固定します。
※こんな装具を常備しているのは、長崎県内の整骨院でも当院だけでは・・
※整骨院は、整体マッサージではなく、ケガの処置と施術(治療)が本務です(リンク付き)
しかし、それだけでは転位(骨がずれる)するので、
上記のテーピングも併用します。
患部に負担が少なく、少しでも靭帯が癒合するような固定を提供しています
とは言え、やはり、この夏の暑い時期に固定は、患者さんにとってシンドイですね・・
オステオトロンというケガの患部の治癒促進する治療機器も使用します(リンク付き)
そうそう、上記に、鎖骨外端骨折と肩鎖関節脱臼の鑑別をしないといけない!って記ましたが、
腫れの症状などが落ち着くとピアノキーサインで、容易に鑑別できます。
しかし、受傷後、数日は腫れが強くて、この確認が難しいんですよね・・
さて、当院では、このように
骨折、脱臼、捻挫といった外傷の実績が豊富です!
エコー画像観察ができる!
整形外科と連携している!
様々な固定の準備をしている!
このことによって、様々な外傷も対応可能です!
23年以上、このスタンスで地域医療を行っているので、
ケガ、外傷の患者さんが多く来院されています。
過去の症例を4つ(各リンク付き)
・酔っぱらって転倒して鎖骨骨折
・90歳の高齢者の鎖骨骨折
・小学生女児が遊んでいてケガ・鎖骨骨折
・ラグビーで受傷した鎖骨骨折
何かあった際は、ぜひご相談ください( `ー´)ノ
急患の対応もしています。
☏0120-983-395(フリーコール)
・LINEで予約
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※当日の急な予約も承っておりますので、お気軽にお問い合わせくださいね!
※写真は本人の許可を得ています。
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★整骨院で判別(骨折・脱臼疑い)はできますが、最終的な「診断」は医師のみができます。
★骨折、脱臼の初回処置(応急処置:ケガして直ぐの処置)は、可能なのですが、2回目以降の施術(治療)・過去に医師に骨折・脱臼と診断されたものに関しては、法律上、医師の同意(後療を〇〇整骨院でしていいですよ)がなければ施術できませんのでご留意ください。
※同意を得る方法は、書面でも口頭でも良いとされております。