近年は、ランニングをして健康維持に努めている方が多くいます。
そんな中、「膝の横が痛い」などの症状を訴える方が多く
来院されます。
その症状はもしかしたら腸脛靭帯炎(ランナー膝)かもしれません。
腸脛靭帯炎は、太ももの横にある「腸脛靭帯」という靭帯が膝の外側で摩擦を繰り返し炎症を起こすことをいいます。
ランニングなど、膝の屈伸を繰り返す動作により発症します。
走り始めではなくランニング距離の増加とともに出現する痛みで、膝の外側に圧痛、軽い腫れ、膝の屈伸に伴うれき音が見られます。
急性期にはランニングの中止を勧めますが、学生さんなど練習を中々休めない方は、ランニング距離を減らして練習と治療とを平行してもらいます。
またフォームの改善も重要です。無理に歩幅を広げるストライド走法を避け、歩幅の短いピッチ走法にしていきます。
走る場所もアスファルトの上ではなく、芝や土など弾力のある走路を選んだ方がいいです。
走った後は、必ずアイシングと腸脛靭帯のストレッチをします。ランニング後そのままにしてしまうと靭帯が緊張し、より膝の外側と摩擦を起こしてしまいます。
また明らかなO脚があるような方にはインソールの使用をお勧めしています。
痛みが出現するのには様々な理由がありますが、痛みを出にくくするのにはランニング後の身体のケアが大切です。
運動後のアイシングやストレッチ、帰宅後の入浴・食事などを心がけることが怪我予防につながります。