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成長期のスポーツ外傷:子どもに起こりうる、足の骨折(骨端線損傷)

成長期の子どもが足首の捻挫をしてしまった際に、意外と靭帯損傷だけではなく、

骨端線部(骨端成長軟骨板)を損傷していた、、なんてことがあります。

さて、骨端線とは何でしょうか??

骨端線(成長線)は、成長過程の骨と骨とが接し合った関節内部にある軟骨組織(骨ではない柔らかい組織)の増殖で現れる線のことを言います。

増殖した軟骨細胞はやがて、硬い骨に変化します。その過程を繰り返しながら子どもの骨は大きく、縦に伸びていくのです。

引用:
プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第2版


↑エコー検査による骨端線(骨が割れたように映っている所)像。オレンジ色はパワードプラモードによる炎症所見。

 

では、なぜこの骨端線の部分が骨折しやすくなっていると思いますか??

そう、子どもの骨は成長過程である為、骨化が完全に完成していません。

なので、実質部断裂などはまれで、軟骨組織で柔らかい、骨端線が損傷する場合や靭帯の付着部に裂離骨片や軟骨の裂離を伴う場合があるのです。

骨端線部の損傷には、ソルタ―・ハリス Salter-Harris により5型に分類されます。

引用:
柔道整復学・理論編 改訂第5版

Ⅰ型:骨端線の離開。
Ⅱ型:骨端線骨折の中で一番多く、骨端線離開に骨幹端部の三角形の骨折が加わります。
Ⅲ型:骨折が関節軟骨面に及び、骨端線から骨端線に垂直方向の骨折線があり、骨端線に沿っての離開があります。
Ⅳ型:関節面からの骨折線は骨端線を垂直に横切り、骨幹端部に及ぶため手術によって、関節面、骨端線を正しく整復する必要があります。
Ⅴ型:骨端部から骨端線にかけての圧挫(圧迫)損傷。

Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型では、組織学的に骨端成長軟骨板の最も抵抗の弱いところで離開していることになるが、成長能も低い肥大軟骨層なので、

正しく整復されれば骨の成長障害や変形の発生にはほとんど影響せず、比較的予後は良好です。

Ⅳ型のように、骨幹端から関節軟骨に渡って縦断されたものや、Ⅴ型のように骨端軟骨が圧挫され、明らかに破壊損傷の大きなものでは予後が不良となります。

 

実は、骨端線まわりはレントゲンでは黒く写り見えにくいです。軽度の損傷で明らかな異常でなければなかなか判別しづらいのが現状であり、負傷してからすぐにはレントゲンに骨折線が映らないことが多いです。

そうなると、ただの足首の捻挫と思い、しっかり治療・管理を行わず、成長する線が早期に閉じたり、上手く成長せずに、後に足首の変形などの後遺症を引き起こすリスクがあります。

だからこそ、エコー検査のできる当院やエコー検査・MRI検査の可能な病院・整形外科・クリニックでの精緻な専門的な診察をすることが重要となります。

なので、たかが捻挫と軽視せず、成長期の過程で捻挫をしてしまった際は、速やかに当院にご相談下さい。

 

フリーダイヤル:0120-983-395

 

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